頭を打ったあと、このような症状はありませんか?
転倒やスポーツ、交通事故などで頭を打つと、「様子を見ても大丈夫だろうか」「病院を受診した方がいいのだろうか」と不安になる方も多いと思います。
多くの場合は大きな問題なく経過しますが、中には時間が経ってから症状が現れ、治療が必要になる病気もあります。
重い意識障害やけいれんなどを伴う場合は、命に関わる頭部外傷の可能性があります。このような場合は救急車を呼び、手術が可能な医療機関での治療が必要です。
ここでは、こうした重症ではなく、日常生活で起こりやすい頭部外傷と、注意すべき病気についてご紹介します。
頭を打った直後は症状がなくても、その後に頭痛や吐き気、手足の動かしにくさなどが現れることがあります。
少しでも気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。
慢性硬膜下血腫
高齢の方では、転倒などで頭を打ったあと、数週間から数か月経ってから症状が現れることがあります。
頭を打った直後は「たんこぶができた程度」で普段どおり生活できていても、
- 歩きにくい
- ぼんやりする
- 会話がおかしい
- 元気がなくなる
などの症状が出てきた場合は、慢性硬膜下血腫の可能性があります。
慢性硬膜下血腫の治療と手術
軽微な場合は経過観察で自然治癒しますが、上記の様な症状を出している場合は、手術が必要です。手術は入院が必要ですが、局所麻酔で約30分程度の比較的負担の少ない手術で、多くの場合は良好な経過が期待できます。 症状は直ぐに良くなり、手術の結果は一般に良好です。ですので手遅れにならないように発見し治療することが重要です。
手術が必要かどうかは頭部CTで診断できます。
適切な治療により良好な経過が期待できますが、再発することもあるため、治療後も経過観察が大切です。 再発した場合には再手術が必要になります。最近では再発リスクを少しでも下げるために、血管内塞栓術(中硬膜動脈塞栓術)を併用することが広まって来ています。
脳震盪
頭を強く打ったり、スポーツなどで頭部に衝撃を受けたりすると、一時的に脳の働きが低下することがあります。この状態が脳震盪です。
脳震盪では、CT検査を行っても異常が認められないことがほとんどです。頭蓋内出血や脳挫傷などがないことを確認したうえで、脳震盪と診断します。脳震盪は大抵の場合、経過観察で改善します。概ね元気で、時間とともに軽快しているようなら、ご自宅で様子をみられてもいいでしょう。
頭を打った後、一過性に意識を失ったり、後から頭痛が増強したり、嘔気が出現してきたりする場合は、必ず脳の画像評価(主にCT)が必要です。そして脳に挫傷や頭蓋内に出血がないことを確認することが重要です。脳震盪であるかどうかは、あくまで画像評価で異常がないことの確認後での診断となります。
このような症状がある場合は早めに受診してください
- 頭痛が強くなる
- 繰り返し吐く
- 意識がぼんやりする
- 手足が動かしにくい
- ろれつが回らない
- けいれん
- 歩きにくい
- 頭を打った数週間後に症状が出てきた
スポーツをされている方へ
脳震盪のあと、十分に回復しないまま競技に復帰すると、二度目の衝撃で重篤な脳障害を起こすことがあります。これをセカンド・インパクト症候群と言います。急激な脳腫脹(脳の異常な腫れ)や出血をきたし、生命を脅かす状態に陥るものを指します。
必ず医師の診察を受け、復帰時期を判断することが大切です。

